旅 〜第一章〜

 最近旅と言う言葉の定義がはっきりしない。簡単に言うと旅と旅行の区別がつけられていないということだ。

 大体今の日本人は旅に行くだけである。それはつまり旅をしにどこかへ行くという事であり、これが旅行である。
 たとえば名古屋の人がディズニーランドにでも行くとする。この時たいていの人は新幹線や夜行高速バスなどを使いとにかく現地へ急ぐだろう。そしてその時間の限りを遊園地内で使い、遊び、疲れたらまた急いで帰る。これでは旅などしていないと言ってもいいが、敢えて言うのならば旅をしに行ったということになる。

 私は夏に北海道へ行き、また、もう一度行きたいと願っている。行くと言っても飛行機や新幹線などは使わず、旅をしながら北海道へ行きたい。とにかく道内へと急ぎ、道内だけを廻っても、それは旅にはならない。旅行したに過ぎない。

 私は旅をしたい。

 旅に行く。これが旅行だ。とすると、旅行というのは点の旅だ。点がディズニーランドであり、どこかの観光地であるのだ。点を巡ってもそれはただの点なのだから動いていないようなものだ。旅とは動くもの。点であってはならない。線でなければ。そしてそれならば、旅は家を出た時点で始まっていなければならない。

 旅に出ましょう。とにかく出かけましょう。ただ観光地のみに目を向けるだけでは味わえなかった本当の旅の良さが、わかるはずですから。

言い訳を聞く
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