烏山線のキセル客

 列車は滝駅を出た。

 のどかな田畑が広がる黄金色の世界。

 ふと、車内からなにやら音がする。

「虫が入ったな」

 なに、珍しい事ではない。旅先ではよくあること。

 名古屋でだって、経験はある。

 しかし次の瞬間、流石に驚く事になる。

「オニヤンマ!!?」

 車内のみんなにはまったく反応がない。

 左前の女子高生は「またか」とほくそ笑んでいるのだろうか。

 前にいるおばあさんは「もうこんな季節なのか」と感心しているのだろうか。

 なに、珍しい事ではない。乗客が一人増えただけのこと。

 トンボは230円ほどキセルをすると、たんぼの中へと消えていった。

 短な列車は、僕の身体を揺らしながら、

 小さな町を紡いでいく。


言い訳
 こういう小さな線って大好きですね〜。全国の三セクが無くなっていっているこの現状を見ていると、悲しくなりますよ。せめてJRさんだけでも頑張って欲しいものです。
 さて、そのJRの中で、小さな線で好きなものといえば、境港線、烏山線、鶴見線、鳴門線、後藤寺線などなど、全国にあるんですが、一部例外を除きすべて都会でもなくただ田舎とも言い切れない、そんなところではないかと思うんですが。例外たる鶴見線もそういう下町チックな雰囲気という点で共通項はあると思いますしね。詳しくはTTMの方で書くと思いますけれど、共通項を一言でいうのならば「生活臭さ」。それぞれに状況は違います。烏山線は田園を走るし、鶴見線は都会というか工場や会社の中を突っ走ります。後藤寺線は炭鉱の名残を残す山の中だし、他の二線は海沿いの住宅街を紡いでいます。でも軒の近さというか、その土地土地の生活臭さの残る線だと思うんです。鶴見線は、時間帯によっては結構とげとげしさもありますけれど……(笑)。
 話がそれましたね〜。そんな小さな線の中から、今回は烏山線を載せてみました。何のことはない、文章書いたのがそこしかなかっただけだったりするんだけど……。少しでもこういった小さな線達の、のどかでほのぼのとした、暖かい雰囲気が出ていれば良いなあ、と思います。

 毎回毎回、言い訳じゃないですね〜、ここの文章って。

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