1890年代のこと。海に浮かんだ一隻の船内では、美しい双子が歌を歌っていた。二人がベールを取ると、どちらの顔にも口ひげがあった。男なのか女なのか?観客達の歓声の中、口ひげがはがされた一人は美しい女性ヴァイオラ(イモジェン・スタッブス)、もうひとりはヴァイオラの兄セバスチャン(スティーブン・マッキントッシュ)だった。メサリーンの名士だった二人の父親は亡くなり、双子は肩を寄せ合って生きてきたのだった。余興が最高に盛り上がった時、嵐が船を襲い、ヴァイオラとセバスチャンは荒れ狂う海に投げ出される。
やっとの事で岸にたどり着いた生き残った船の人々。だがそこはメサリーンと敵対関係にある国イリリアであった。そしてヴァイオラの傍らに兄の姿はなかった。老船長の計らいで、イリリアの領主オーシーノ公爵(トビー・スティーブンス)の屋敷に小姓として住み込むことになったヴァイオラは、長い髪を切り口ひげをつけ、黒い軍服を身につけて小姓セザリオとなった。美しい恋の歌も演奏できるセザリオは、オーシーノに気に入られて、大事な用を言いつけられる。恋の使者となり伯爵令嬢オリヴィア(ヘレナ・ボナム=カーター)への愛を告白してきてほしいというのだ。
オリヴィアは兄を失ったばかりで7年間は喪に服すことを決めており、オーシーノの愛には応えられないと言い放つが、小姓セザリオの姿を見て急に心をときめかす。新しい恋の始まりだった。
オリヴィアをあきらめないオーシーノは、再びセザリオを遣いに出すが、オリヴィアはすっかりセザリオに夢中になり、黒い喪のベールもはずしかけている。オーシーノに恋心を抱き始めたヴァイオラは、オリヴィアをみぐる奇妙な三角関係に心を痛めていた。女性には愛の深さが分からないと考えるオーシーノだったが、そんな彼にヴァイオラは女の愛について話してみせるのだった。
オリヴィアの屋敷では他にも奇妙な恋の勘違いが演じられようとしていた。執事マルヴェーリオ(ナイジェル・ホーソーン)と折り合いが悪い、飲んだくれのオリヴィアの叔父サー・トービー(メル・スミス)は、侍女マライア(イメルダ・ストーントン)、それとオリヴィアとの結婚を望むイカレた金持ちサー・アンドルー(リチャード・E・グラント)と組んで、マルヴェーリオを痛い目にあわせようと考えていた。オリヴィアそっくりの執筆が書けるマライアは偽のラブレターを書いて、マルヴェーリオをその気にさせようと画策する。うぬぼれ屋のマルヴェーリオは庭先で拾ったラブレターを見て、オリヴィアが自分を愛していると思い込む。そしてオリヴィアを喜ばせようと彼女の部屋へ現れるが、頭が変になったと思われるだけ。マルヴェーリオはトービーらによって小屋に隔離され、おまけに彼が冷たくあしらった道化のフェステ(ベン・キングスレー)も神父に化けて彼に仕返しをする。
一方、町では、アントニオ(ニコラス・フェレル)に助けられたセバスチャンが、妹は海の底に沈んだと思い込み悲しみに暮れていた。そんな彼に献身的に尽くすアントニオ。ところが海賊だったアントニオにはオーシーノの部下を殺害した過去があり、オーシーノの警ら隊に見つかりやっとのことで追跡を逃れる。
オリヴィアとの結婚を望むサー・アンドルーは、恋敵セザリオに決闘を申し込む。慣れない剣を持つセザリオことヴァイオラ。そこへたまたまアントニオが通りかかり、ヴァイオラをセバスチャンと思い込んだアントニオは決闘の手助けを申し出るが、遂にオーシーノの部下に捕まってしまう。自分を知らないと言うヴァイオラを恩知らずと罵るアントニオに、唖然とするヴァイオラであった。
その頃、偶然オリヴィアの屋敷の近くを歩いていたセバスチャンは、彼をセザリオと思い込んだアンドルーから喧嘩をふっかけられ、止めに入ったオリヴィアには結婚を迫られる。見知らぬ美女からの突然の申し出を、セバスチャンは戸惑いながらも受け入れ、二人は式を挙げる。
セザリオことヴァイオラがオーシーノと共にいるのを見たオリヴィアは、「永遠の誓いを裏切ったの?」とヴァイオラに迫り、オーシーノもまた「恩を忘れたのか」と怒りを爆発させる。とその時、彼らの前にセザリオがもう一人現れた・・・・。かくも複雑にからみあった恋の糸は、運命の指先にたぐられてどうなることやら?
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