撮影雑記2003年10月編
★朝のコスモス
10/6。通勤の時、一駅手前で電車を降りて小さな川沿いを歩いていくことがある。たいていが天気のいい時だが、この日もそうした。時期的にコスモスがその川辺の一角に咲いている。9月にも何度か写真は撮ったが、このところにきてその斜光線に透かされる花びらが美しく感じられるようになったので5分、10分と立ち止まっては撮っている。ちなみに15分立ち止まったら遅刻である。それはまずい。
群生のコスモスも一度は撮ってみたいと思うのだが、撮影地に恵まれない。そんなこと言ってないでもっとアクティブに攻めればいいと思う向きもあるだろうが、私にとってそれだけの花ではないのでこれまた致し方ない。やはり園芸種はさりげなく撮りたい。結局は一輪、二輪と群生の中から抽出するのだが、この花は太陽の方を向くのが基本形(?)なのか逆光で撮ろうとすると顎の方が手前に来る。別に花芯がこっちを向いていなくても私個人の好みから言えばそれでもいいのだが、一般的にはそういう写真は主流ではないだろう。そんな写真ばかり撮っている。おかげで天頂に抜いたコスモスは空のコントラストといい感じになった。しかし、花が写っていなければ夏のようなどぎつい青だ。これも一般向きではないだろう。しかしいろいろな角度から撮ってみるのは悪くない。今度どこかのコンテストに応募してみよう。現像はいつになるかわからないが・・・。
★渓谷ダブルヘッダー
10/12。本当はこの連休を利用して山梨の鳳凰三山に行こうと思っていたのだ。
しかし、あまりにも天気が悪く、おまけに南アルプス林道の不通情報もあったりで「なんだかなー」という気分になってしまった。それでは日帰りの山は?と考えたが、悪すぎる天気の中の撮影登山は正直嫌だ。悪天候でもいいという考えは好天の時を知っている者の言うせりふだと信じて疑わない私は今回は迷わず山をパスした。ならばこの日は撮らないのか、というそれも違う。私は往生際が悪いので遠出をしたいということもあってクルマで県外遠征を企てた。俗に言う(勝手に決めました(笑))午前2時発進で山梨は西沢渓谷へと向かった。ちなみに今回は登山ではないので山行記には書かない。だから「雑記」の方に書いてみたいと思う。
神奈川は深夜の豪雨。そんな中、静岡の県境を越えることができるのかというくらいの雨が降っていた。246を御殿場まで行き、篭坂峠を越えて中央高速で勝沼までダッシュをかけた。幸い、静岡県に入ったところで雨は小止みになり、結局西沢渓谷までは本降りよりは全然いいという天候のままだった。実のところ私はクルマに乗るようになってやっとこさ半年を過ぎたばかりなのだが、今まで高速道路には乗ったことがなかった。教習時代でも高速教習はなかったのである。近所では東名が近くなのだが、御殿場までは246で行けるからなー、と今まで利用したことはなかった。そして今回は河口湖から勝沼までは中央高速で高速デビューを果たそうと計画した。
出だしから怪しかった。午前3時過ぎに河口湖から高速に乗る車もなく、すーっと専用道路に入っていったが、何を勘違いしたかETCのゲートに向かって突っ込んでいた・・・。すかさず掟破りのバックでもう一方のゲートから入場、後ろに一台でもいたらど顰蹙者だった・・・。そんなスタートだったがその後は大月JCまでは抜いていくクルマ数台という閑散ぶりでスピード違反には抵触しないのではないかと自分で思っている速度で突き進んだ。
勝沼ICて゜すぐさま高速を降りて、塩山に向かう。高速を降りた後の一般道はこんな時間なので空いている。速度の感覚が少し麻痺しているので信号以外は相当な速度で走っていたような気がする。塩山駅を通過して何を間違えたか大菩薩方面に進んでいたことが判明。前に来た時に気になった地名があって覚えていたのがよかった。よってバックして正しい道まで戻る。ちなみに私はカーナビは金がないので設置していない。もっぱら地図を覚えて進む方である。が、あまり頭の性能はよくないので上記のようなことは往々にして起こる。そんな調子で西沢渓谷の至近、道の駅「みとみ」に到着したのが午前4時半過ぎ、似たような人はやはり駐車場に何人もいた。
日が昇らないと渓谷の撮影は怖かったので、6時に駐車場をスタートした。天気は小雨。これから雨は止むだろうと踏んで迷わず出発した。前に西沢渓谷に来た時は紅葉が少し褪せたころだった。今回はところどころ始まりかけという感じだった。が、山梨の谷あいでは紅葉が始まっている。やはり神奈川とはえらく温度差のある話ではある。
とにかく人がいない。これはいいことだ。早立ちはこうしたメリットがあるのだ。これもクルマのおかげである。後ろから来た人には抜かれることなく紅葉や流れをつまむように撮っていく。この分なら10時ごろには駐車場に戻れそうだとペースを調整する。そして、渓谷コースのポイント「七つ釜五段滝」に到着。この日は存分に撮影できた。撮り尽くされた感のある被写体ではあろうが、前に来た時は撮影どころではなかったので(それだけひどい人出だった・・・)滝を独り占めさせてもらった。滝を撮ったら後は軌道跡を一気に下る。手入れの行き届いた山道なので撮影をしないようなところではほぼ駆け足状態だった。だから疲れた。駐車場に着いたのは10時前。いつもの土産を「道の駅」で買って、思いつきだったが、もうひとつ撮りに行こうとクルマを走らせた。
その名は徳和渓谷。前に乾徳山に登った時に、こんな渓谷があるのか、と思った程度だったのだが、西沢渓谷の近くでもあったことから歩いてみることにした。印象としては滝のアラカルトといった趣でその手の撮影練習にはもってこいの場所だった。滝にもいろいろな分類があるようだがこぢんまりとしていてもだいたいの形はあったのではないかと思われる。それだけいろいろな滝があるのだ。つごう2時間くらいゆっくり歩いて写真などを撮っていたが、こちらの方は紅葉という感じではなくまだ緑の渓谷だった。やはり西沢より標高が低いので見ごろはもう少し先なのだろう。まあ、この程度の散策コースならダブルヘッダーでも苦にならなかった。
と、まあ紅葉のはしりの山梨に行ってきたということだ。帰りは御坂みちを抜けて河口湖経由で帰ってきたが、河口湖付近の渋滞はなかなかだった。やはり3連休ということもあって予想はしていたが、これはこれでドライブのいい訓練になった(精神修養(笑))。
★カキーン!!
10/15。本屋でガッツポーズ。とある山岳雑誌に写真が載った。私ごとき月イチ俄か登山者が撮った写真が載ってしまった。私は写真誌というと記事よりも写真ばかり眺めているばかりなのでその手の常連は知っているつもりだが、この雑誌の応募者から見たら、「また35ミリカメラの新参者がやってきた」くらいにしか思われないだろうが、それはそれで結構である。私は私なりにこの分野についてはある可能性を試しているのでこれが単発であっては困るのだが、今回にいたっては、予選通過が目的だったので望外の結果である。私にしてみれば山岳を専門に撮る人のイメージをここに記すことはその時の気分次第ということもあるので軽々しくはできない。ただ、山の写真は素晴らしいし、その画質を追求するためにあの重い機材と三脚をかついで登ることはそれだけで尊敬に値する。自分ができないことをして素晴らしい結果を残している人は山で見かけても羨望のまなざしをついつい向けてしまう。そんな方々からは35ミリは「お手軽」と片付けられるのも無理はない。実際に山で中判のベテラン(?)にそんな視線やその仲間内での会話の中で「論外」と(私にわざわざ聞こえるように言っていたのかは知らないが・・・。でもそのポイントには彼らとポツンと離れた私しか・・・)これも別に山の上に限ったことではない、平地の観光地でも祭りでもそういう風に自分の優位性をアピールしている人はいる。
でも、山岳写真はその「機材のみ」で優位に立つという(客観的な事実は厳然としてあるのだが)ことが理屈ではわかっていても、感覚としてはいまひとつ受け入れなれないのが今の私である。
嬉しいことは嬉しいのだが、そんなことも考えているとこんな文を書いていた。
まあ、ともかくこれで一区切り、私も山登りをしているのだという事実を全国区にアピールできたということなので、冒頭のようにカキーンと一発かっ飛ばした感じ、これを久々に本屋で感じることができた。
★がっくり・・・。
10/19。いつもいつも金欠で泣いているアマチュアなのだが、ここ一番というところでなんとか小遣い以外で収入はないものかと模索している。「模索」といっても私が考えつきそうなことはせいぜい写真を応募してフイルム代くらい出ればなーと思っていた程度だったが、職場の先輩から「これはいいんじゃないですか?」と高額賞金(私にとって)のコンテストを紹介された。それが今日のタイトルになっているということは、結果的に落選したのだが、こいつには最低3万は堅いなー、と皮算用していただけに思いっきり力が抜けた。だいたいどのコンテストでも応募状況の途中経過というものは発表しないものだと思うのだが、このコンテストは締め切り2ヶ月前に○点しか応募がなく、と触れ込んであった。写真誌でも見ないコンテストでそれなりの高額賞金だったのでその気になったわけである。
やっぱり果報は寝て待てなのか・・・。狙いに行って碌な事はないなーと自らのレベルをここでまた思い知った次第である。
★とりあえず
10/20。写真誌発売日。風景写真誌に山の写真が掲載されるのは前もってわかっていたのでその選評を読んで「そうかそうか」と納得。本当はリアルタイムに近い形で季節ものの写真は応募していきたいのだが、応募月のタイムラグ以上に現像に出す資金のラグが大きすぎてこれはどうにもならない・・・。そんなフイルムが30本以上我が家にまだ眠っている。しかし、こうした写真誌のコンテストの作品を毎月毎月見ていると、世の中にはどうやら自分と似たような視点で写真を撮っている人がいるのだなあ、と思うことがある。要するに自分と同じような着眼で撮られた写真が先んじて入選しているということなのだが、今月も街のスナップで「ああ、やられたなー」と思うものがあった。まあ、自分の作品としてはその存在に揺るぎはないものの、やはり応募作品としては二番煎じとして見られるのは必至なので自然と控えてしまう類のものである。そしてそうしたコンテストの欄外にある「二重応募告発」の記事。「あー、今月もいたか」という感じで見ているが、これは他山の石。私はそういう規定に引っかからないように作品を分類して応募しているので心配はしていないのだが、これも所詮は人間(しかも私)のやることなので、魔が差さないとも限らない・・・。来年度以降は応募の方針を変えるつもりなので、この辺はより注意していきたいと思っている。そんなことを記事を見ながら考えた。
そうそう、そして隔月刊ではあるが、もう一冊写真が掲載されていた。扱いが小さかったのでぎりぎりだったのであろう。テーマ部門で応募したものの中でも地味な存在のものだったので全体のバランスの中のひとつとして取り上げられたのかな、と思っている。
★出来
10/21。先日の西沢渓谷の写真が出来上がった。必要に迫られてのことだったので懐は痛んだが、まあ出来としては自分の撮りたかったものはしっかりと写っていたのでまずまずと思っている。ちなみに今年の北アルプスの写真もこの日で完結したのだが、これは仕様がないなー(笑)、という感じになっていた。やっぱり、1日だけでも晴れてくれなけりゃ全体としてのメリハリがない。まあ、雷鳥がちゃんと写っていただけでもよかったとするしかない。
渓谷の写真は苦手なのだが、西沢・徳和では自分でも撮ったなー、と思うくらいにはなっていたのでコンテストに応募してみようかな、というものもあったのでその分野については上出来だったといってよい。
★絶景
10/26。この日、蛍子から休みがもらえたので、また深夜クルマをかっ飛ばして、こないだ不発だった山梨の紅葉を撮りに遠征した。場所は金峰山。「マイカーで登山」なる本を買ったので、ドライブと登山がいっぺんにできるコースを選んだのだ。この記事は「やまのぼり」のコーナーに譲るが、今回は何と(記録)写真なしである。さあ、撮るぞと思ってコンパクトカメラをいじったら調子が悪く作動しなくなったのである・・・。それで一巻の終わり。リバーサルの入ったカメラで頂上でのセルフタイマー証拠写真など情けない限りである。しかし、家に帰ったらちゃんと動いた…。またもデジカメ購入計画は頓挫した次第である。
ともあれ、天候には恵まれた。登山の標高差も300メートル程度なので歩く時間を差し引いてもそれほどつらいコースではない。むしろ夜間の林道を走るということが私にとって未知のことだったのでその辺が一番気を遣った。高速道路→一般道→林道となっても夜間のことである交通量は極端に少ない、全部の道路で同じような運転をしていてよくもまあ無事に大弛峠までたどり着けたものだと我ながら思う。やっぱり暗くて周りが見えないということは私にとってはいい方に作用しているようだ。
富士山、南アルプス、八ガ岳など金峰山からは四方の山々が心行くまで見渡せた。これはとてもよかった。その後、いくつかのハプニングはあったのだが、ここで恥をさらしても仕方がないので、改めて別の機会に記すことにする。
帰りの林道の落葉松の黄葉や勝沼付近のぶどう棚の紅葉も風情があってよかった。もちろん、存分に撮らせてもらった。こうしてみると紅葉もいろいろだと思うのだが、私の嗜好としては「黄」に傾いている。落葉松の黄は「うわー」というくらいスケールが大きいし、神奈川では見られないこともあってバシバシ撮ってしまう。撮らされているのかな、と内心思っていても楽しく撮影できる被写体だ。
ともかく、この日は気持ちよく写真が撮れた。今年の紅葉はもういいかな、というくらい撮った気がする。
★カッキーン!!!
今月2度目の快音(笑)。内輪といえば内輪なのだが、竹内先生主催のコンテストの速報が郵便で届いた。開けてみると、何と「金賞」ということだった。わが目を疑ったが、グランプリに次いでの賞なのでとても嬉しい。何年も前に蛍の写真で銀賞をいただいたことがあるのだが、それよりも高位なので自分としては信じられない気持ちだ。まあ、もっとも相対評価でもあるので全体のレベルにも左右されると思うが、それでも「2003年のコンテストはこうですよ」と言ってきたのだから、素直に受け取ろう。これは風景写真を撮るものとしてはとても励みになる。11月2日にコンテストの講評が竹内先生から直に聞けるという知らせも入っていたが、これは残念ながら欠席だ。まあ、高位の賞は機関紙に選評が載るのでそれを楽しみに待つことにしよう。
この10月はなんだか写真に関しては飛ばしていたなー、と感じる。今年の前半期の写真バブルの勢いに近づこうとする感じさえする。
撮影雑記2003年10月編 おしまい
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