撮影雑記帳 2002年6月編

 

6/2

ついに今日より螢撮影開幕。例年より2週ほど早い、という情報を得て確認したところ今日は6匹確認。気温も低いので留まっている蛍を3枚撮影。感度の低いフイルムであったことが悔やまれるがその分露出はかけたつもりだ。まあこの手の写真は成り行きなので結果オーライとするしかない。気温が高くなればもっとでるだろう。明日から夜な夜な重装備(虫除け)をして出陣である。

6/4

螢撮影だ。今日は気温が高かった。時間帯はサッカーなど見てしまったので当然遅くなった。ポイントは自称「蛍の木」。のべ10匹以上といったところ。飛び交う姿はなく、そういう写真を撮ろうとすると空が多く入ってしまうため光害の影響を受ける。よってその木へレンズを向けての光点の撮影になった。

長靴履いて行ったのにくるぶしに一発被弾。本当に蚋は痒い。撮影前には虫よけスプレーを頭からかぶっている。まるで昔のDDTの映像と同じである。本当にこいつには泣かされる。

6/5

今日も螢撮影だ。夕方珍しく夕立が降ったので、夜半は気化熱で冷えたのか、蚋の攻撃は受けなかった。蛍も気温が低いのか葉にとまったまま飛ぶ気配もなかった。しかしマクロで撮るほどじっとはしていないのでねらいとしては光点撮影だった。

今日困ったのが、撮影中の雨と雷だった。基本的には田んぼの中に立っているので万が一光ったら三脚か私が直撃を食らう可能性がないではない。光っても雷鳴は聞かれなかったので遥か彼方の雷だったのだろうが、生きた心地がしない。

やっぱりこういう日は撮るべきではない、と思った。

ちなみに昨日から400のフイルムで撮っている。これならだいたいの勘でなんとかなるというものである。

6/6

しつこい。今日も蛍だ。この3日間は日中暑かったため、蛍も発生するのか日に日に少しずつではあるが数は増えているようだ。今日はのべ20匹程度といったところ。

螢の木での撮影だが、やはり留まって光ってくれているせいか、周りからもそれなりに寄って来る。その意味では今日は光跡も撮れたのではないかと思っている。今回は珍しく薄暮からの撮影。舞いこそしなかったが元気に光っていた。撮影の時間帯はサッカーの放映時間にほぼ一致する。まあ、蛍はそんなことおかまいなしなので勝手に光っている。

地元ではなかなか「流れの上の光跡」という感じでは撮れない。近所のいくつかのポイントを今日は巡ってみたのだが、なしのつぶて。生息地が縮小されている気がしてならなかった。

明日は職場から直で行けるポイントを選択しようと思っている。発生の有無は微妙だが、近所より環境はいいので出ないことはない、と思っている。

私の螢撮影の原点で明日は撮影。成功を期したい。

6/7

今日は職場に三脚持参で出勤。ついに極まれり、と言った感がある。

目的はしつこいようだが蛍撮影。私の蛍撮影の原点(大仰な)に立ち返ってのロケなので絶対に失敗したくない撮影だった。まあ、もとより蛍が出なければあの時期より環境破壊が進んだのだなと古き良き時代を回顧するのみにとどまってしまうのだが。

南足柄にそのポイントはある。と言っても隠れたポイントなどではない。夕涼みに来ようと思えばふらりと見ることが出来るような場所である。要は、「蛍の里」などと宣伝していないのでごくフツーの歳時記として見ることができる、ただそれだけの場所である。
数年前から訪れていなかったが、河川の改修はかなり進んでいて、もとからいなかったような場所では完璧に公園となっていた。河川沿いの道路も宅地化の影響で一部立派になってしまって撮影に関するいろいろな懸念も予想された。

蛍は敏感な昆虫だと思う。やはり体にセンサーのようなものがあるのだろう。もうそろそろ光るかな、という暗さになるとあちらこちらで光り始める。セッティング直前に農家のおじさんが、「ここ数日ちらほら飛んでいるのは見たな」と言ったのを聞いて、「秦野より遅いのか…」と一瞬落胆したが、実際光ってみると、自称秦野ガーデンよりは一瞥してかなりの蛍がいることが確認できた。何よりここの蛍はよく飛ぶので標準系なら適当なところに構えていれば何とか光跡は捉えることができる。まあ、ファーストポイントでは山風が吹いて不向きな条件になるまで粘っていた。

次のポイントはいろいろと苦しい条件が重なったのだが、それなりの集団明滅が確認できた素晴らしい場所だった。苦しい条件とは、ヘッドライトとギャラリーだ。ヘッドライトはこれはもう天敵である。光った瞬間「バカヤロー!」と叫びたくなる。それでそれまでの数分間はパーである。ギャラリーに関しては、わざわざ私が写真を撮っているのを確認した上で「先日の方がよく出ていましたよ」(だったら来るなよ!)とご丁寧に講釈をたれる御仁まで内心私の怒りを買うこととなった。蛍の撮影には敵が多いとつくづく思う。心を平静に保ちつつ撮影するのは大変だ。子ども連れの一行も見物に来ていたが、思ったより懐中電灯など持って来ていないのは助かった。そんな光を見たら戦々恐々である。ただ、来るなよーと願うばかりである。

ともかく、南足柄の蛍が健在だったことは嬉しい限りである。今年はこれ限りだろうが、来年も1度は撮ってみたい場所である。ヘッドライトの犠牲も多かろうが、まあ、何とか来た甲斐があった、と思える写真があることを願うばかりである。

6/10

一日千秋の思いで待っていた雑誌発売日。件のアマ・カメラマン紹介で全国デビュー!

同誌のコンテストでも入選を果たし、華を添える形となった。まあ、一種の絶頂期のような気もしないでもない。これだけの扱いを受けただけでも破格とするしかない。関係諸氏にこの場を借りて厚くお礼を申し上げたい。あー、良かった。

夜、また蛍である。明日以降の天気がいよいよ梅雨入りの気配を呈しているので今年最後の出陣と銘打って午後10時に撮影に出かけた。今日は気温が高く蛍はそれなりに飛んでいた。ただ風が今までより強かったのが蛍にしてみれば苦労していたような飛び方だった。「蛍の木」はこれはこれで盛況で、飛ぶコースが足柄ほどはっきりしていないここの蛍はこの「木」に集う傾向があるようだ。遠目で見てもオスかメスかは光具合ではわからないのだが、多分メスがいるのだと思う。ポジションはその木に絞ったので構図は大きな変化はない。あとは蛍の飛んだコース、光り方の相変わらずの成り行き撮影である。この場所はヘッドライトの被害はないが、多少住宅地の光害の影響が出るので、空を多く入れては撮れない。露出の基準は最暗部、バルブで5分前後である。

なんとかならないか、蛍写真。来年も美しい光を是非とも見せてほしいと願う小僧だった。

6/20

あれから10日、今日は写真誌の発売日。3誌4部門全滅…。二次と最終がひとつずつ。
もっと作品を丁寧に選ばなければならないということか、それともそれまでの写真ということか。まあ、掲載されている写真を見るとどうやら後者のようだ…。今月はこれ以上語る言葉もない。さっさと寝よう。

6/21

梅雨の合間の晴れ。綺麗な筋雲が出ていたので撮った。今日は夏至だという。

このごろEOS630の調子がおかしい。いよいよ2回目のサービスセンター行きか。今出しても修理に注ぎ込むお金がない。しかし、夏の撮影にはなくてはならない予備機なのでどうにかしたいと思っている。しかしまた、なんでこんな時にだよー、とも思う。

6/30

梅雨の最中、伊豆は湯ケ島まで行って来た。観光写真コンテストに入賞したので「表彰式」なるものに招待されたのである。私はこの手の「コンテスト」には滅多に応募などしない(プリント応募の規定がネック)のだが、このコンテストはスライド応募なので私のような写真貧乏にとっては当たればミミズで鯛を釣るような感じである。まあ、天城の写真ということで去年の秋に1度だけ行って撮ったものを応募しただけで結果的に入賞してしまった。何度も通い詰めていてこのコンテストに応募していた方には申し訳ない限りである。しかし、勝負(ではないとは思うが…)は時の運、撮った日の条件が良かったのだと思いたい。
さて、表彰式はもちろん出るために行ったのだが、出たからには撮りたくなるのが人情である。始発の小田急下りに乗って湯ケ島温泉に着いたのは8時であった。私は修善寺から河津までのこのルートは何度か滝をメインに撮りに来たことはあるのだが、この湯ケ島温泉に来たのは初めてだった。温泉会館などという瀟洒な建物は通りに面しているのだが、この温泉は少し奥まったところにある。2時間ほど時間があったので温泉一帯に流れる川の写真を撮っていた。朝方まで相当雨が降っていたらしく水量が多く、なかなか迫力があった。これはこれで作品になるだろう。
そして、表彰式直前に(会館前でボケ〜ッとしていたのだが…)空を見たら、なんとも見事な彩雲が発生していた。規模は大きくなかったが、なかなか色が鋭い感じで本当に短い時間だったが虹色に輝いている時もあった。表彰されうる方々ご一行はすでに中に入っていたが、ぼけっとしておくものだとこの幸運な瞬間を捉えられたことに満足していた。

表彰式の後は昼食会。ビールまで出た。意地汚く瓶1本飲んだら酔っ払った。

その後は酔い覚ましに月ケ瀬まで歩き、界隈の紫陽花などを撮っていた。

修善寺まで来たらもう一面空は曇天に戻っていたので、温泉饅頭でも買って帰るしかなかった。これは妻、ボーズに大好評で、お土産を誉められていい気になったのか妻には副賞でもらった高そうなボールペンを上げてしまった。まあ、持っていても使わないので後悔もなかった。

しかし、梅雨の流れと彩雲、短い時間で撮ったものにしてはなかなかの収穫だった。
6月は山登りもしなかったのでこの最終日に撮れて良かったと思っている。

 

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