撮影雑記帳 2002年4月編

 

この日は、私にとってはなかなか大変な日だった。3月の雑記帳にも触れたのだが、某写真誌の企画に私が載ることになり、ライターの人が自宅へとやって来た。つごう2時間強の取材で写真をはじめたきっかけや現在までの道のり(たいしたものではないが・・・)、そして今後の展望(いつも行き当たりばったり・・・)などをいろいろと聞かれた。ライターという職業柄実にものの聞き方が上手く、支離滅裂になりがちな私の思考をそれなりに筋道立てていただいたことにかえって「あー、写真やってからこんな感じできたものだ」といつもの他人事モードになりながらもこの10余年を振り返ることができた。それにしてもこの特に「賞」などに縁のない私如きが雑誌の2〜3ページに載る等ということは望んで得られるものではなく、かと言って一介のアマチュアカメラマンにそれほどの野心(?)もなく、どういう星の巡り合わせでこうなったのか、こちらの方からなぜそうなったのか聞きたいくらいであった。
取材は滞りなく進行したのだが、お客が好きなボーズは最初は遠巻きに覗いていたのだが、そのうち私の膝の上に座りだし、私の茶菓子まで食う図々しさまで見せつけていた。ライターの方も奇遇なことに同年で同じくらいのお子さんがいるということで理解はあったものの何をしでかすか冷や冷やものだった。

雑誌の発売は6月とのこと。腐っても全国誌。しかし、載る人間がなあ・・・。まあ、今後の撮影活動の励みとしたい。もちろん個人的には嬉しいできごとだった。

4/5

昨年の今ごろ、四十八瀬川沿いの山吹の写真を来年は撮る、と息巻いていた。通勤時にそろそろ見頃かな、という感じになってきたので、撮りに行くことにした。普段の撮影活動のほとんどが行き当たりばったりや成り行きなのに対して、いつかは撮ってやるという被写体には一応の決着をつけようとする傾向が私にはある。
そうして出かけるのだが、形態は「近所の散歩」なのでボーズも一緒だ。最近ボーズを連れ出しては「山登りだ」などと近所の丘陵地帯を散歩しているのでだいぶ脚力もついてきた。3〜4時間の散歩はおやつ一つでなんとかなっているのはありがたいことである。
ボーズには「電車(小田急)がよく見えるところに行く」と行って誘ってあるのでごねることはまずない。いいところに山吹が咲いているものである。

余談だか、近所に泉蔵寺という境内にチューリップを植えているちょっと変わった寺がある。最近「チューリップ祭り」などという企画を始めて、今年で3回目になるとのこと。いつもの散歩のコースだが、折からの春の早さに遠目に見ても色とりどりに咲いているのがわかる。
ボーズはチューリップが大好きである。妻の実家に行った時などは、花壇のチューリップをみんな摘んでしまうほど好きなので見逃すはずがない。さすがに摘むことはなかったが、とんだ道草を食うことになった。しかしまた、ここまで徹底していると園芸花も撮りたくなってくるのも人情。寺の努力に敬意を表して5万本とも言われるチューリップを愛でることになった。

さて、件の山吹の撮影だが、結局は不発だった。ボーズを連れて足場の悪いところは行けないので無難な写真ばかりになってしまったような気がする。所によっては滝のように見える山吹もあったはずなのだが、ボーズを連れ歩くようなところからはとても撮れない・・・。ボーズはボーズで次から次に来る電車を見ては喜んでいたが、私にはまた宿題ができてしまった。
四十八瀬の山吹。来年も撮ることをここに書き留めておこう。

4/13

今日、一通の封筒が来た。「天城観光協会」と書いてある。「おお!これは」と手に取り、開封すると写真コンテストの入賞通知だった。この手のものは一応発表の期日は気にしているのだが、今回も発表の期日は少し過ぎていたので、「また選外」と思っていた。
さらに驚いたことにそのコンテストのランクとしては3番目(賞金で)のものだという。主宰の自治体の長の冠する賞だという。内訳は賞状・楯・賞金・副賞となっている。おまけに表彰式も別途通知するという。そんなことは初めてなので手放しで喜んでいるが、この写真は去年の11月にキノコ狩りの同僚とセッションして出かけた撮影行で撮ったものである。いろいろとこういう賞がもらえる時というのは自分ひとりの力だけではないのだなー、とつくづく感じた。

それにしても表彰式なるものはいつ行なわれるのだろう。こういうことは最初で最後ということもあるし、是非とも参加だけはしたいのだが、GWなどに企画されるとちょっと悲しい。さすがに評価の決まった写真の表彰より、その時間撮っていた方がいいというのが私の基本的な考えなので、GWが終わって落ち着いてからというのが私の勝手な希望である。

それにしても春の珍事。まあ珍事でも嬉しいことだった。

4/14

今日は山登りの日。相模原のオヤジ同伴である。4月は山梨の乾徳山に行こうと思ったのだが、ダイヤの検索システムで希望の時間に行くことが不可能と相成ったので、道志山塊の最高峰御正体山(1600メートル後半)に登ってきた。コースなどは「山行記」に譲るが、都留市から山中湖まで半日かけての行程だった。
御正体山は基本的に展望が利かず、唯一利いたのがゴールの山伏峠手前の高圧線が立っている稜線だけだった。この日の天気は晴れていたが無茶苦茶遠方は霞みがかかっていて山中湖に下りても目の前の富士山は真っ白状態。今までの山行を紐解いてみると徹底的に富士山には嫌われている。登山中の景観もパッとしたものではなく、葉が茂らないこの時季だからこそ木々の間から見える景色も茂ってしまった日にはちょっと私には辛い山だなー、と感じた。

しかし、フイルムは使ってきた。3月の丹沢で芽がちょっとしか覗いていないバイケイソウがこの山の頂上付近、前述の高圧線の付近に群生を作っていたのである。これは大変フォトジェニックでこの時期のものなら私でも写真にできるものだった。ちなみに標高の低い後者の方が葉の開きが大きく、時間帯もちょうど良かったのか、葉を逆光でとらえることができた。マクロな描写の部類だろうが、山岳の自然風物としてとらえた今写真は機会があれば、その手のコンテストに応募でもしてみようかと考えている。

山中湖には2時過ぎに到着。結局平野から旭日丘まで湖畔に沿って撮り歩いた。スナップあり、富士桜を撮ったりと山歩きモードをクールダウンさせるような感じで撮っていた。富士桜も今年はこの日が満開から下り坂という感じ。今年は特殊な気候らしいので、来年はこの時期より遅くなるだろう。今度富士桜を撮りに来る時のためにここに書き留めておく。

富士山は御殿場でシルエット。もう日没の時刻が遅くなっているので、最終バスを考えていたらまず撮れない。春から秋までは手が出せない富士山の撮影時間帯である。あー、こんな時にクルマでもあればな〜とこの時も思ってしまった。

4/20

写真誌発売日だ。雑誌に応募している人でこの日を「合格発表」になぞらえている人がいたが言い得て妙、私にもそれに近い心境がある。応募しているからには写真が載ってほしいので本屋で雑誌を手に取る時には「頼むよー」と一応は祈ってみたりする。
まあ、たいていの雑誌というものは事前に「入賞通知」なるものが来るので載るか載らないかはわかるのだが、全部の雑誌がそういう方式を取っているわけではないので店頭で初めてわかる写真掲載もある。
今月は2誌門前払い(これはゆゆしき問題だ、予選も通過していないというのはある意味ショックである…)、そして1誌掲載だった。この掲載誌の写真は自分の予期せぬものだったので薄氷を踏む掲載写真であった。出しておいて良かったという写真である。素直には喜べない(これを乗せてくれー、というものがあっただけに…)のだが年間連続掲載がかかっているので贅沢は言えない。こうなると今後の応募は枚数、質ともに大仰なものになりかねないのが難点ではある。作品選びで多くの時間が費やされるだろう。これは雑誌に応募をするものの宿命でもある。

4/24

今日、ある写真誌のテクニック本が発売されたのだが、以前より延び延びになっていたものだけあって「刊行中止」などと思っていただけに嬉しかった。この本に私の写真を3枚原稿として貸していたのだが、そのうち2枚が掲載された。3枚載ってくれーと思っていたのだがそれはダメだった。3打数2安打と言ったところか、ジャイアンツの新庄よりはいい打率だろう。巻頭特大などという夢はついえて、ごくフツーのケーススタディの写真としての掲載だった。まあ、月刊誌と違ってしばらくは本屋に置かれる性質の本なので、これはこれで多くの人に私の写真を見てもらえることにもなるだろう。それにしても出版されてよかった。

4/27

ボーズと午前中天気が良いので近所の散歩に出かけた。私はカメラバッグと三脚、ボーズは虫かごと網という出で立ちなのだが、ボーズがチョウの取り方を習得するまでは私が網を振り回していた。まったく妙な格好ではある。田んぼのレンゲもピークを過ぎてしまったのか花に勢いがなく、撮るには値しなかった。フイルム2本弱は撮ったのだが、帰ってきて印象に残るカットもない…。まあ、たまにはシャッターを切っておくのも良いという程度の撮影だった。

 

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