撮影雑記帳 2002年3月編

 

3/4

今日はカメラメーカークラブの機関紙に写真が掲載された。金銀銅佳の次の準佳作で写真のみの掲載なのだが、去年まではその写真掲載の企画ではなかったので選者が変わって3月目にして目にとまったというわけだ。このところ準佳作以上にいけなかったのでまたここからやる気を出して応募していこうと思っている。そういう弾みをつけた内容だった。

3/10

今日は所用で伊豆は長岡まで行ってきた。せっかく県外に脱出するというので蛍子から1日実質的にもらってのカメラ携帯日帰り行である。長岡あたりののんびりした雰囲気を最初は撮ろうと思ったのだが、富士山がよく見えていたので方針を変更、バスで沼津に抜けて午後から御殿場方面に向かって富士山を撮ることにした。沼津駅の本屋で地図を頭の中に入れて、御殿場線は富士岡から歩き始める。ただひたすらに富士山に向かって歩き始めること約3時間あまり、国道246号線を越え、陸上自衛隊板妻駐屯地を通過して、御殿場市印野地区まで足を延ばした。何かの写真集で印野地区から見た雄大な富士山が印象に残っていたのだが、なかなかそういう景色が見られない。迫力のある写真ということでもしかしたら超望遠レンズをつかっていたのかもしれないと思いつつ、往生際悪く歩き回る。印野本村というバスの終点を通過して、さらに登り、「あー、ゴルフ場か・・・、これはもうだめだな」とあのさきまで行ったら戻ろうと突き当りまで進んだところ、それはそれは目の前が大パノラマの演習場だった。演習場の縁から富士山を撮る分には構わないだろうと日暮れ近い荒涼たる草原を少し歩く。ところどころにフォトジェニックな樹が立っていたりとなかなかこの日の最後にしていい撮影ポイントに行き当たった。富士山はその場所からは遮るものなく目の前にあるのだが、思いのほか距離がある。この広大さ、演習場という条件を棚に上げてもなかなか感動できるところである。偏光フィルターで調整してもクリアになる光線状態でなかったことはことのほか残念だったが、まあそれはそれ。愛鷹山の裾から富士の頂上までの大パノラマは素晴らしいものだった。印野までバスで来れれば徒歩15分のところなので交通は便利な方であろう。クルマなど買った日には通い詰めたくなるくらい好みの場所だった。

まあ、たくさん歩いて撮ったのはこの場所と近くの雑木林の風景、RVPで3本といったところだった。

3/11

今日は年4回発行の某写真誌の発売日。性懲りもなく応募している。結果は掲載。実に喜ばしい。この雑誌のコンテストは毎回テーマが決まっているのでなかなか作品の選択には悩まされるが自分の作品にひとつの解釈を位置付ける意味では選ぶ過程でとても勉強になるコンテストである。この雑誌ともわりと相性はいいようで、これで通巻5連続掲載させてもらっている。

そして、その夜、その出版社から電話があり、次号のアマ特集に私が候補の一人として上がっているので、もし正式に決まったら取材云々よろしくとの連絡があった。こんな実績の定かでない適当な人間の特集など全国紙として読まされる方はいい迷惑だと思うが、本人は「そうなったらどうしよう」などと半ば浮かれている。こんなことはそうそうあることではないので「いい経験」としてその話はいい方向に向かってほしいなー、と考えている。

いったいどうなることやら・・・。

3/20

写真誌発売日。2誌門前払い。何も言うことなし…。せめて予選通過が1点でもあればなーなどとがっかりして家に帰る。

3/21

私の家は高台にあるマンションの3階である。目の前には障害物もなく丘陵地帯が見える。その一角に咲けば一際目立つ桃の木があり、何となくほころんできたころだったので午前中「山登りだ」とボーズを連れて、私は三脚とカメラを持って出かけてみた。天気は今ひとつ冴えなかったがPLフィルターの効果は確認できたのでまあコントラストという点ではまあまあの写真になったと思う。
撮ったものは結局桃の花ではなく、その同じ場所に咲いていた桜の若木だった。枝ぶりに貫禄の「か」の字も感じられない細い木だったが、勢いがあったので撮ってみた。ボリュームのない枝の細さを逆手にとって逆光で花の輝きをイメージして撮った。今年は桜の開花が例年より1週間くらい早いそうだ。秦野の桜も今週末あたりが見頃かもしれない。

3/23

今日は家族で市内の運動公園に花見に行く予定だったが、朝方雨が残って止んでも寒いことが予想されたので蛍子とボンズは留守番。またしてもボーズと運動公園に花見に出かけた。秦野の運動公園は並木道としてみればなかなか川沿いの景色は捨てたものではないと思う。ただ、桜と何を組み合わせるかが問題で、私にはそうした発想がないのでなかなかストレートな風景としては撮れないでいる。開花の状況は2日おきのランニングコースにこの運動公園を設定してあったのでやはり土日だろうという判断は間違っていなかった。
前述の通り、私は(人が飲めや歌えの)花見の名所での撮影は不得意で、かつボーズも同行していることからなかなか撮影をしようという気にはなれなかった。ボーズはボーズで大型遊具で遊びまくって私の予定などお構いなしである。公園に着いた時はまだ曇りだったが、昼も過ぎれば陽も差してきたので、「今年の桜」はここか、と一念発起して被写体を探して回った。私は青空に抜いたり、逆光に輝く花弁も好きなのだが、幹から唐突に咲いている桜もまた好きなので今回はそうした写真を撮っていた。ボーズが面白がってそういう花に手をつけるので「わーっ、やめろ!」とか何とかファインダーを覗きながら叫んでいた。周りから見ればとてつもなく変な親子に写ったことだろう。フイルムはRVP、風もそよそよ吹き、当然PL付きなので枚数のわりに時間がかかった。ボーズがぐずぐず言い出す前に公園を撤退。この満開の条件を生かすのはもう一つの手段に委ねるしかないと感じた。

同日、午後9時過ぎ、私は再びこの運動公園に来ていた。夜桜の撮影である。ここ数年、述べ日数は年に1回程度だが、夜桜を撮っている。近所でもそれなりに撮れるのだが、自転車をこいで今年はここで撮ろうと思った。空には月、風もほとんどない。この手の撮影はほとんどバルブ撮影なので街灯でよほど照らされていない限り30秒以下の露出時間で切り上げるのは難しい。まあ使っているフイルムがRVPなのでなおさらのことである。
自分のことながらねらいははずしていないと思うので、あとは出来次第、この「出来」が予測できない(未だに…)のが私にとってこの撮影の面白いところである。構図は条件が条件なのでそれほどバリエーションは出せなかった。公園内の街灯が消灯されるのが午後10時なので公園での撮影もそれまでである。消えてしまったらほんとに真っ暗。わが身が危険にさらされる。
公園での撮影のあと、至近の「桜土手」と言われる場所に行った。「土手」などというと風情が感じられるが、何のことはない工業団地の真ん中を突っ切る道路が桜並木になっているというだけのものである。そこをバスで通り抜ける時は「おお!素晴らしい」と感じることができるのだが、いざ撮影となると意外と三脚を立てる場所に苦労した。冷え込みもここ数日で一番だと感じていたので、場所は一箇所で20分程度、露出を変えていろいろ撮ってみた。桜と通り過ぎるクルマの光跡のバランス、結局は結果任せ、情けないことこの上ないが、いい写真に仕上がっていることを今は祈りたい。

桜のダブルヘッダー。撮ろうと思えばいつでも撮れるものなのだな、と改めて感じた。

3/25

今日は職場の昼休みに珍しく写真を撮った。ヒコーキ雲が昼間からよく出ていた。河川敷から見上げたところでちょうどいい感じで雲が伸びてきた。このところ形のいい雲が撮れないでいたのでいい収穫だった。

3/26

今日は夕方散歩。近所は丘陵地なので空が広く感じられる。1時間程度の散歩だったがヒコーキ雲を主に撮っていた。三脚を持たない散歩なので非常に手がるなものである。日が沈むまでしか撮れないが、いつもこんな感じで撮れればいいのに、と思う。イメージスタビライザー付きのレンズならもう少し暗くても大丈夫だろうか。今、お金もないのにこの手のレンズか高倍率ズームの物色に余念がない。目的はただ一つ、機材の軽量化である。

このところちょくちょくではあるが、写真は撮っている。山行用のフイルムに手をつけはじめた。

3/30−31 「丹沢縦走計画」実施

詳しい話は「山行記録」に載せるので、写真のことだけに焦点を絞る。1泊の山小屋縦走だったが、歩くことに重点を置いたため、写真どころではなかった。バテてバテて休憩は休憩のためのみに存在する時間だった。やはり目一杯歩いてはいけない。歩く時間を5時間以内に押さえないと…。ちなみに1日目は10時間、2日目は8時間は歩いた勘定だ。ほんとにいつ写真を撮っているのかという感じである。

しかし、1日目の天気は午前中までは良く、丹沢から富士を撮ることができた。あと見るだけなら甲斐駒、北岳などの南アルプスの白い嶺も見ることができた。重点的に撮ったものは桧洞丸のブナ林。ここは初めて行った所だったが、今まで見たブナ林とは比較にならないくらい貫禄のある樹が多かった。森そのものはさすがに表尾根同様傷んでいる感じがしないでもなかったが、それでも霧の中に立っている巨大なブナは素晴らしかった。久々に「樹」を撮ったという感じである。
2日目は早起きして青ガ岳山荘の周辺でブナを撮る。名物のバイケイソウも目立つ緑色の芽を出していた。ブナを撮ったらあとは最後まで本当の(?)縦走。大室山など県境を突っ走り、最後の山の畦ガ丸を下りて万万歳と思ったら、西沢という沢が下山コースになっていて、度肝を抜かれた。天気予報では夕方から雷雨という予報を出していて、西丹沢もそんな雰囲気になりつつあったので、最後の2キロ弱は渓谷の写真は捨てて、バス停まで一気に走破した。

しかし、ストックと三脚をザックに括ってあるので平地にいても油断ならない。最後の最後になって恐ろしい目にあった。

写真はブナ以外には撮らなかった。その意味では日帰りで桧洞丸だけでもよかったような気がするが、今現在の己の体力の限界に挑戦できたことには意義はあると思う。
機材の軽量化、および歩行時間の短縮化が今後の課題である。

ちなみに帰路の途中丹沢湖では桜が満開だった。こちらが「散るかな」という時が丹沢湖の旬であるように感じられた。一応ここに記しておけば役に立つこともあるだろう。

 

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