雪見プロジェクト

(米坂・只見・裏磐梯撮影行)

1999,12/26・27・28・29

 

浜松町から米沢まで夜行バスを利用(駅前にコンビニが開いていて助かった。もし、営業していなかったら凍えていた)。
この撮影行の楽しみは、雪を見ること。12月下旬で雪があり、東京からわりと近いところ、という条件で米坂線(新潟方面)と只見線(会津若松方面)を選んだ。
一番のポイントは只見線の始発に乗れるか、ということに尽きた。とにかく朝5時過ぎの始発の次は午後であるという開いた口が塞がらないダイヤだった。

写真は米坂線。色はともかく、何となくこの古さが気に入って1枚写真に撮っておいた。

米坂線での行程は、米沢を出て、小国で途中下車。そこから梅花皮(かいらぎ)山荘行きの町営バスに乗り、地蔵堂という山中の里で降りて2時間弱撮影をした。道路をそれるとズボッ、と腰まで雪に埋まってしまう。積もっているところは優に私の身長を越えていた。
そんな地元の人が「嫌」と言うだろうほどの雪を私は実に新鮮な気持ちで写真に撮っていた。それにしても近所の人総動員の屋根の雪下ろし作業はなかなか凄いものがあった。もともと雪深いところなので相応の傾斜がついている屋根に登っての作業である。「落ちたらエライことだなー」と一通行人である私はボケーッと見物していた。
とにかく「白い里」というイメージがぴったりの小国だった。また、この駅の「おぐにー、おぐにー」というアナウンスもなかなか旅情を誘ってくれる。
写真は米坂線の「手の子」という「?」な名前の駅。この辺から小国あたりが結構雪が深かった。乗客もそれほどいないので、車窓の写真は窓を開けることができる(大胆な!)。しかし、上記の区間ではラッセル車状態なので巻き上げた雪が吹き込んでくる。そんなところをこの列車は走っている。

小国から快速「べにばな」に乗って新発田へ。そこから新津に向かう途中に水原(すいばら)というところがあり、そこで下車。白鳥飛来地で有名な瓢湖を訪れた。
ここは特にコメントの必要もないところだと思うが、確かに白鳥はじめ、その他もろもろの水鳥は「夥しい」という表現がぴったりなくらいたくさんいた。人の周りにはアヒルのように餌をもらおうとする相当な「野」鳥もいたりしたが、まあ生きるための手段なのだろう。
白鳥が飛ぶ姿は美しかった。それを撮るテクニックおよび機材がないのが残念だった。

28日。早朝、小出のBHを出て、只見線の一番列車に乗る。もちろん漆黒の闇の中の出発で乗客は3人(そのうちの2名は明らかに旅行者)だけだった。
大白川でまとまった時間停車。その時に夜が明けた。
このまま会津若松まで乗ってもそれなりに楽しかったが、せっかくなので只見で途中下車。しかもそこで降りたら次の若松行きは午後2時を回った頃である。

只見では、全面路面凍結(死ぬかと思った)でとても怖かった。空は晴れていても自分の立っているところが濃霧という現象もなかなか面白かった。只見駅から只見川を遡ることしばらくして、只見ダムが見え、そこで小休止。霧が晴れて、その上流の田子倉ダムを目指したものの、いざ登りという時に国道は冬季全面通行止めになっていた。徒歩で前進して小一時間、何とかダムの展望台まで出たもののそこにきて写真の手すりまで行き着くのに30mくらい腰より上の雪をラッセルして行く羽目になった。
しかし、そうまでして見た景色は素晴らしいもので苦労して来た甲斐があったというものだった。
行きはよいよい帰りは怖い、というように登りでもスリップした道の下りは大変怖い。のろのろ進んでいると後方から来た地元の人の軽トラックに積んでもらえることになった。しかし、これも生きた心地がしなかったのは言うまでもない。たいして乗っていたわけではなかったのに車酔いした。気分はまるでドナ・ドナである。

それでも無事只見駅に帰り、少し遅い昼食を駅前の食堂でとることができた。私は旅行に出るともらえるものならラーメン一杯でも領収書を切ってもらって旅行の記録にしているのだが、この食堂は何と感熱紙の領収書だった。特に話題にするほどのものでもないが、これも旅行をしていて初めての体験だった。
写真は只見駅。とにかく関東近辺ではスキー場にでも行かなければ見られないくらいの雪である。駅舎も雪囲いがしてあり、駅前のロータリーがなければただの倉庫のように見える。

午後一番の会津若松行きは主に旅行者で活況を呈していた。ゆはり雪見をのんびりしようとする同好の士はかなりいるものである。私はもう一箇所下車しようと思っていた場所があったものの田子倉行きでエネルギーを使い果たしてパスし、ただひたすら車窓を眺めることに没頭した。
沿線の集落に入るたびに実をつけた枝ぶりのいい柿の木が何本も目に入る。
こういう景色もなかなかいいなー、と思いながらそのうち熟睡。夜の会津若松に着き、コンビニで弁当買って投宿した。

撮影行最終日、会津若松は雨。一番列車で猪苗代に行き、裏磐梯へのバスを待つ。このバスターミナルはなかなか風情のあるターミナルだった。
磐梯山は悪天候のため雲の中に隠れてしまっている。若松の雨も裏磐梯では雪になり、バスを下車した時は濃霧だった。
写真にならないなー、と周辺をうろついたが、これといった収穫もないので、毘沙門沼から始まる五色沼の散策コースに足を踏み入れた。
これが雪のあるなしでは全く違うコースへと変貌し、自分が踏み跡をつけなければ前進不能の箇所がいくつもあった。安全のため、引き返そうかと思うことが何回かあったが、その度に案内板が現れるので「遭難」の心配はないと確信し、桧原湖まで結局歩いてしまった。いくらゴアテックスの完全防備でも雪の上はかんじきのようなものが必要だと今回身をもって知ることとなった。

猪苗代に戻り、天候があまりに冴えず、おまけに雨になったため撮影は中止。郡山に抜けることにした。会津地方ではどんよりした天気も郡山に近づくにしたがって空の青さが広がり、終点では関東と全く変わらないような冬晴れだった。
最終ランナーは東北新幹線だが、まだ日没まで時間があったので余韻を楽しむために、各駅タイプの「なすの」に乗って東京に帰ることにした。

雪見プロジェクト おしまい

 

 

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