WAVES:OKU-TSUGARU
(津軽西岸撮影行)
小泊に夜になって到着し、風の強い夜が明けるとそのまんま荒れ模様の天気になっていた。気温は低く、風は強い。こんな日はバッテリーがすぐに落ちてしまうのでその保温から気を遣う。そんな中での撮影だった。
さて、小泊だが、ここは前述(竜飛編)の太宰治「津軽」の最終目的地でもあった。別に文学や太宰治に造詣などほとんどと言って無い私だが、この小泊のシーンは印象に残っている。太宰と彼に縁のある女性「たけ」との再会のシーンなのだが、そのシーンは感動したものである。
そうしたことにちなんで、小さな公園であったが、「再会公園」というものがあり、太宰とたけの像がその傍らに建っていた。
海岸線は写真の通り、怖いくらいの波が立っている。空模様は青空も混ざる時雨雲が物凄いスピードで東に千切れて飛んでいた。
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午前中、小泊の街を撮影した後、午後から小泊岬を目指した。時折雪のぱらつく天気だったが、前進することにした。途中振り返ると北に長く延びる津軽半島が日に照らされて真っ白に輝く美しい光景を見た。望遠レンズで覗くと龍飛崎灯台も確認できた。「おお!龍飛!!」と叫びたくなるような劇的なシーンだった。
さて、小泊岬遠征の顛末はと言うと・・・。写真のように中止である。雪が強くなってきたのと、その小泊岬は写真の一番奥に見えるところがそうだとわかったのでこれ以上の前進は無謀と考えたからだった。この岬に行くには一日行程としなければならなかったようだ。悔いは残ったが、やむをえないことでもあった。
さらばだ、小泊。
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翌日、バスで小泊を後にする。振り返ると真っ白になった小泊半島が見える。岩礁と黒っぽく見える木々に覆われる半島はまるでモノトーンの世界。バスを降りて撮ろうかという衝動にかられた。交通機関を利用するものの宿命としてこうしたシーンを置き去りにすることは実に辛いものである。
しかし、写真のように路面は凍結状態。地元のプロの運転でなければ命を任せられないのも現実である。やはりバスが走っているところでないと私の撮影旅行は無理である。クルマなどに乗ってしまった日には大変なことになるだろう・・・。
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津軽中里駅で。ここから津軽鉄道に乗る。ストーブ列車なるものに乗りたかったが、その夢はかなわずに普通の気動車だった。それでも結構な年代物で、地方のローカル線に乗ってるなー、という気分には十分なった。件の「ストーブ列車」は途中ですれ違った。まあ、見られただけいいだろう。
五所川原からの接続を考えて、沿線を途中下車する余裕はなかった。できれば金木で降りて、太宰治の生家を訪れたかったが・・・。俄かファンでつくづく良かったと感じた。
写真のポイントは「津軽最北端の民鉄」という看板ではない。氷柱である。落ちてきたら怪我をしただろうが、落ちてはこなかった。物珍しさに2、3本折ってみた。立派な氷柱だった。
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津軽鉄道五所川原駅はJRのものと違ってなかなか風情のある駅だった。素朴ながらも津軽鉄道らしいグッズも売っていたので、「沿線ガイド」と「虫送り」のプレート(絵馬風のもの)を買った。沿線ガイドの「津軽」はなかなか味のある冊子であった。
写真は駅前にあった大衆食堂。何となく撮ってみようと思った。
この後は、鰺ヶ沢で途中下車。ブラブラしている時に「くじら餅」なるういろう風の菓子を買ってみた。別に試食したわけではないので冒険ではあったが、その包み紙が気に入って買ったのが実際のところである。
五能線は大戸瀬崎までは海岸線を地形に従って西へと進む。大戸瀬まで行けば、過去に来た地点と結ばれる。
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前に五能線は秋田方面から大戸瀬まで乗ったことがあった。その時は大戸瀬崎に立つことで満足し、そのまま引き返したが、今回の乗車で五能線の風景を一通り見ることとなった。この日の宿泊地は深浦。私は大晦日は自宅で「紅白」という感じではあったが、この旅行で初めて自宅以外で大晦日を過ごすことになる。別に感慨も何もないが、明日の朝の食事は「おせち料理なのか?」とかは考えてしまう。変な奴ではある。天気は不安定だが、日本海側ではその不安定さも良し、である。
写真は五能線から見た日本海。風合瀬、追良瀬などの無人駅がまたそうした風景にいいスパイスを効かせている。列車の本数が多ければ途中下車するのは必至。何も無くても降りたくなる感じのする場所である。
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そして年は暮れていく。
深浦で夕暮れの海の撮影をして投宿。夕食にはそばが出た。「年越しそば」なのだろう。これなら明日はおせち料理が出るかもしれない。
写真は、もうそろそろ「紅白」も終わりという感じの写真である。歌は「昴」。フィナーレに相応しい。そんな記念になれば、と思って撮ったものである。
歌合戦の喧騒が終わり、テレビを消してみると鐘の音。西津軽深浦の除夜をゆっくりと楽しませてもらった。
来年早々、撮影旅行が始まるのである。
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WAVES:奥津軽 はこれでおしまい。
時間のある方は、WAVES:庄内 をどうぞ。
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