高尾プロジェクト
1999,AUTUMN
私の場合、不幸なことに紅葉のお気に入りの場所というものがない。あそこがいいと聞けばふらふらと出向き、新聞の情報があればまた出向いていく。それでいていつも大雪山や日光などの紅葉を見て、こういう景色が撮りたいな〜、などと言っている。結局は近場をうろうろしているだけなのである。今回は東京都都民の森にもなっている高尾山に行くことにした。修験の山として聞いたことはあるが、ケーブルカーもあるとかで楽に登れる山らしい。いつも中央本線を下る時の通過地点だが行ったことがないから行く、訪問の一番の理由などそんなものだったりする。
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自宅を出て始発の小田急線上りに乗る。私は一日を長く使いたいので日帰りの場合は極力始発を使うことにしている。こういう時はちゃんと目が覚めるのだからげんきんなものである。町田で横浜線、片倉で下車した後は京王線に乗り換えて終点の高尾山口まで行く。ここまで大体1時間半程度、意外な近さに驚いた。高尾山そのものはそれほど高い山ではないが、登りは楽をしたかったのでケーブルカーを利用しようと思った。
しかし、早く着きすぎてケーブルカーの始発までまだ時間がある・・・。仕方がないのでケーブル前の紅葉を撮ったりしていた。天気は曇り。まさか雨は降らないだろうとは思うが、どちらにも転びそうな天気である。
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これはそのケーブル前駅の様子、紅葉の様子を撮ってみた。人が多く集まる場所なので色合いのいい樹がしっかり立っているという感じ。
11月下旬にしては寒い日である。ケーブルカーの始発待ちの人がちらほら見える。
ともかく天気がな〜。暗い曇天の撮影は苦手なのではっきり嫌いである。
そんなことを思っている間にケーブルカーが動き始めた。
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登りの一番ケーブルカー(こんな言い方はないと思うが・・・)に乗り、下側の席を陣取り過ぎ行く景色を楽しむ。もともと乗り物は好きだが、こういう普段乗らないものは殊のほか面白い。高尾山のものは東日本でも屈指の勾配があると聞いていたので今まで乗ったもの(大山・箱根・御岳)と比較しようと楽しみにしていた。確かに、「急だな」という感じはした。
写真は下りケーブルカーを写したもの。1枚目の写真のものと同じであるが、あのケーブルカーは私の乗っているケーブルカーより1本前に山頂の職員など(土産物屋さんも)載せて運行する回送車だった。
まあ、どうでもいいことだが書くスペースがあったので書いてみた。
大した高さの山ではない、などと言ったがケーブルカーを使わなかったらそれなりに時間がかかる山であろう。とりあえず乗っておいて良かった。
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ケーブルカーを降りるとそこからは徒歩で行くしかない。高尾山には1号路から5号路までの自然探勝路があり、よく整備されているとのこと。私はここまでほとんど何のエネルギーも消費していないので一番長く、下りではほどほどの谷合を行く1号路を歩くことにした。
修験の「高尾山」まではほとんど高低のない道を行く。山道というより参道である。山の尾根筋には立派なほどの杉が林立している。その風格はそんじょそこらの植林とは一線を画するものである。天を突くような樹に目を奪われる。
写真は「乳房杉」という説明があった。根の部分がそう見えるのだという。なかなかユニークな杉だった。
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高尾山の山門。こんな山の上に「聖域」とは凄いものだと思う。これは同じ東京の「御岳」にも行った時に感じたことである。今だからこそ観光だが、一昔前ではやはり修行者しか入らない山だったのだろう、などと勝手に思い込む。
かといって信仰心など持ち合わせていない私のこと。「凄い建物」とくぐったり一回りしたりとその程度の見物で本堂の方へと向かった。
高尾山の山頂はその本堂の先にあると地図では示してあった。
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高尾山本堂の写真でも良かったのだが、天狗の写真を載せることにした。天狗というのは妖怪だと思っているが実に魅力的なキャラクターだと思う。もしいるものなら会ってみたいものの一つである。神奈川県でも南足柄市に「大雄山最乗寺」という名刹があるがそこにも天狗にまつわる言い伝え(のようなもの)があるという。お土産の煎餅などは天狗の葉団扇の形をしている。ここでは葉団扇の形をしたものが多く売っていたように見受けられた。
立派な杉並木の上の方を見上げてしまうのは、「天狗」の視線を感じるからかもしれないなどと大人気ないことを思ったりもする。こういう「山」を歩いている時には妙に楽しい。
本堂で一休みして高尾山山頂へと向かった。
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高尾山頂上では多くの人が休憩をしていた。天気は相変わらず曇りで冴えない感じだが富士山は見ることができた。写真にするほどのものでもなかったので私は給水タイムをとって、すぐに下山を開始。下る途中により自然に近い紅葉はないものかと探したが、天気同様冴えない林相で何となく下ってしまった感があった。
写真は1号路終点近くの「琵琶滝」の様子。滝というのでコースの最後にしてちょっとした写真が撮れるかもしれないと期待していたのだが、ご覧の通りである。風景としてはこれまた冴えない感じがするが、「高尾山」を象徴する(?)シーンの一つではないかなと水垢離する様子を眺めていた。
紅葉の撮影と言うには手ごたえがない高尾山、見る目がないのか時期を逸したのかよくはわからないが、今回の訪問だけで受けた印象は、思ったほどのところではなかった、ということだった。正午にはまだ時間があり午後はどうしようかなどと考えている間に終点のケーブル乗り場へと戻ってきた。
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おお!この混雑はどうしたことだ。ケーブルカー乗り場は長蛇の列。こんなになっているとは思いもよらなかった。つらくても朝一番で上に登って良かったと思えた光景だった。
紅葉の高尾山、集客力は相当なものである。
撮影に来るには物足りなかったが、家族で来るには楽しそうだ。今後の家族旅行の候補地として覚えておくことにしよう。
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京王線である。高尾山口から新宿まで一直線。まだ午後がまるまる使えるので次はどこに行こうか思案した。楓の紅葉が思ったほどではなかったのでイチョウでも撮ろうかと都心に向けて進む、または昭和記念公園あたりでセッティングされた「秋」を撮るか、いろいろ行けそうなところをピックアップしたが、高尾でJR中央本線に乗り換え、西に進路をとることにした。
こういう脈絡の無さは自分でも説明はつかない。
目的地は一駅西の相模湖駅。神奈川県に戻るわけである。
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相模湖。神奈川県にある湖である。この下流に相模ダムというダムがあるので人造湖、神奈川の水がめの一つだという。駅からちょっと歩いて湖畔に出る。まあ、整備された公園ではあった。しかし、ここには秋があまり感じられなかった。対岸には色づいた樹などが見られたが、この日の天気ではくすんでいる感じがして今ひとつだった。
勘一つはたらかせてやって来た相模湖だったが少し当てが外れたようだ。しかし、これから都心の方に引き返すのも気が進まなかったので、この相模湖から相模ダムを越えてしばらく相模川を下ってみようと思った。高尾山で歩いたと言っても下りだけだったので午後を歩き通しても大丈夫なくらい体力に余裕はあった。
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相模ダム下流は写真のような渓流になっている。おや、捨てたものじゃないなという景観である。渓流沿いのハイキング道も変化に富んでアップダウンも多くこの川を渡るというだけでもなかなか疲れた。この渓流を越えて結局は県北の要衝でもある三ケ木バスターミナルまで歩いて行った。特に撮るものもなく、ただただ歩いただけでかったるいなー、と思う時もあったが、中央本線を背にしてしまったからには前進しかなかった。
三ケ木バスターミナルに着いた時は「あー、やっとバスに乗れる」とホッとした。バスは相模原方面と厚木方面(宮ケ瀬乗換え)があり、両方ともはじめての路線だったが本厚木までどのくらい時間がかかるのか乗ってみたくなったので後者のバスに乗り込んだ。バスは空気を運んでいるような感じだったが、宮ケ瀬までの道々は晩秋の素朴な景色が見られ、写真抜きで楽しませてもらった。今度来ることがあったら「穴場」として撮ってみたいところだった。
宮ケ瀬で私一人バスを降りたが、本厚木行きのバスを見て愕然。ここからのバスは大混雑でずっと立ちっぱなしだった。宮ケ瀬なんてたいした観光地じゃないだろうからこの時間ならバスも余裕、なんていう予想は大外れだった。いつの間に宮ケ瀬はこんなにお客が呼べるようになったのだろう。恐るべし、である。
相模原に抜けていれば電車でもっと早く帰れたかな、などと少し後悔しながら本厚木までの約1時間は立ちながらうつらうつらと半ば夢の中の状態だった。
日帰り旅行。思いつきでいろいろ移動していること、当たり外れがあるから面白い。しかし、それにしてももう少し落ち着けないものかと自分ながらこうした文を書いていて思った次第である。
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高尾プロジェクト おしまい
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