長野プロジェクト
(GO TO NAGANO)
1999,1/3−1/5
1/3の夜も更ける頃、蛍小僧は新宿駅にいた。早朝のある風景を撮るために、この「急行アルプス」を利用することに決めた。もちろん時期的にウインタースポーツのシーズンなので指定席だけは確保しておいた。
ところが、この日はハプニングで列車が新宿を出たのは日付が変わってからで、何でも中央本線で車両故障のため上下線とも相当な遅れが出ている模様。実際に乗車してしばらく行った猿橋という駅付近で立ち往生した。もっとも、最初の下車駅は塩尻で午前4時ごろ到着予定だったので「少しくらい遅れてくれたほうがいいなー」くらいには考えていた。
列車は甲府を過ぎたあたりから快走し、茅野、上諏訪、下諏訪、辰野と停車し、結局、たいした遅れにもならず4時5分に塩尻到着。
外はキーンとした寒さで手袋をしていても指先が痛い。駅の周辺を一回りしてみたもののコンビニもなく、鼻毛まで凍りつく寒さだったので、駅の待合室まで避難した。2時間弱であったが何をするでもなしに過ごしていた。
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辰野町の小野という駅からタクシーで少し行ったところに、天狗原の「枝垂れ栗」(天然記念物)というものがあり、私は冬の(しかも早朝の時)葉を落とした枝垂れ栗を撮りたかったので、この時期に訪れた。これは「日本不思議旅行ガイド」(株式会社にじゅうに)を見た時に、「こんな奇怪な形の木が存在するとは・・・、しかもたくさん!」とその衝撃的な第一印象から、いつかは訪れたい場所のひとつに決めていた。
枝垂れ栗はまだ陽の回らない山かげにあったが、空の蒼いトーンにその不気味とも言える枝振りを無秩序にのばしていた。
一人でいた贅沢な時間だったが、夕方だったら何か怖いな・・・、というような「何か」が出そうな感じがするところだった。
なお、この場所は天然記念物なので栗林などは基本的に立ち入りは禁止になっているのでそれなりに制限は多い。
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枝垂れ栗の撮影を終了して、小野駅まで歩いて戻る途中。地元の祭りに出くわした.。「御柱祭り」というもので、あの有名な「諏訪」のものと大意は同じ祭りのようで一本の御神木をみんなで引っ張って神社に奉納する祭りであることを聞いた。
もちろん、このような撮影のチャンスも滅多にないことなので後の予定を割愛して御神木とともに私も山を下っていった。
それにしても、この木が半端な大きさではないため、なかなか引き回すことができない。実行委員会(?)が予定している各地通過時刻を大幅に遅れてしまいそうだとわかると、なんと持参のチェーンソーで整形していた。地元のテレビ局もカメラを持って来ていたが、これはいわば「面目丸つぶれ」の類なのだろうから、きっとカットしたと思う。私は見ていて面白かったが・・・。祭り独特の掛け声のようなもので気合を入れる様子は規模は関係なく勇壮だった。
地元消防団の進軍ラッパが高らかに響く様子などは「おお、やる気だな」と思わせるものがあった。
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以前、旅の雑誌か何かで「味わいのある駅舎」のような特集があって、写真の松本電鉄新村駅が紹介されていた。昼間は特に予定がなかったため、長野行きの特急待ち時間を利用して、わざわざ出向いてみた。
私は鉄道は好きだが、いろいろと詳しいわけではないのでこうして雰囲気を楽しんでいるだけだが、この駅舎は評判通りなかなかその「古さ」に味わいを感じることが出来た。着いて見て、次の上りで松本に戻る、という行程だったが、「交通費損したなー」という感じにはならなかった。
松本からは特急で一気に長野へ。小野の祭りに出会わなければ、篠ノ井線で1、2箇所途中下車をするところだったが、長野も初めて行くところだったので雪のない山間部を抜けて、善光寺平へと向かった。
長野到着。前に富山に行った帰りに長野を素通りしたことがあり、その時はもちろんオリンピックが開催される前のことだったので寺社風の重厚な駅舎だったそうだ。1999年は新幹線も止まっているし、駅もとてもきれいであった。コンコースには長野五輪のマークとダイジェストの写真が大々的に掲示してあった。
長野に来たらまず行こうと思っていた善光寺。写真の建物は国宝である。宗教にも建物にもほとんど造詣などないけれどそれはそれ。カメラを持った一般観光客として参拝した。
それにしても長野電鉄に乗って善光寺下まで移動したが、これが地下鉄だった。当然私が知らなかっただけのことだが、「長野に地下鉄」という新鮮な驚きがそこにあった。
善光寺では一転俄かに掻き曇り雪が降ってきた。写真でもわかるくらいなので、これが雨だったらびしょぬれである。雪だから許せる風情が善光寺界隈にはあった。
もうひとつ、長野県を訪問したら必ずやっていること、「なす」「野沢菜」の「おやき」を食べること。値段も手ごろで暖かくて雪の参道でぱくついた。
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長野ツアーは短期決戦。長野始発のしなの鉄道に乗り、上田へと向かった。上田からは上田交通別所線に乗り換え、「信州の鎌倉」といわれる別所温泉を訪れた。写真の駅舎はこれもまたなかなか地方の私鉄だからこそ、という風格(?)を感じさせる私好みの駅舎だった。
別所温泉では足早に常楽寺、安楽寺、北向観音を巡り、「ここが温泉か」という外湯(公衆浴場)を見て、来た道を上田へと引き返した。私は単独行では食べ物と温泉にはあまり関心が向かないので家族と来るときがあったら、と言うくらいの情報収集程度におさめている。(よほど時間があったり疲れていたら温泉くらいには入るだろうが・・・)
上田からは再びしなの鉄道で小諸へ。小諸からは小海線で松原湖で最後の撮影をした後小淵沢に抜けて帰る予定だった。
ところが、小海でケータイが鳴り、ボーズが39度の熱を出したという連絡が入った。のんびり撮影というわけにもいかないので、計画を中止した。小海で乗車変更をした後、佐久平まで引き返し、新幹線で一気に東京に戻った。こんな形で初の長野新幹線利用をすることになるとは思わなかったが、新幹線があって良かったと、この時ほど思ったことはなかった。
さて、件のボーズだが、私が家に着いた時にはすっかり熱は下がっていて、これはよかった。まあ、とりあえず「大至急帰った」と言う父親の面目だけは保てた撮影行だった。
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長野プロジェクト おしまい
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