関西プロジェクト

奈良大阪和歌山兵庫滋賀 撮影行)

1994,SUMMER

 

(1日目)奈良周辺⇒大阪
神奈川中央交通の夜行バス「やまと号」で奈良へ。このバスでは珍しく静岡に入る前には眠ることができた。目覚めたのは三重と奈良の間の峠に差し掛かり、奈良盆地へと下ろうかという時だった。
天理市内では朝のお勤めなのか信者の人が列を作って各道場(?)のようなところに入っていく光景が数多く見られた。まさに総本山といった趣がそこにはあった。

さて、動き始めるにはちょうどいい時間にJR奈良駅に到着。そして、奈良公園へ向かう途中に出会った光景が左の写真である。鹿がゴミを漁っている光景だった。鹿は公園にいるものだと思っていただけに、この奈良の日常に息を呑んだ。きっと神の使いなのだろうから誰もちょっかいなどは出さないと思うが、この角に一突きされたらたまらないなー、などとも考えた。

奈良での足取りは次のようになる。
JR奈良駅⇒奈良公園⇒春日大社⇒二月堂⇒東大寺⇒興福寺⇒近鉄奈良駅⇒唐招提寺⇒薬師寺⇒大和郡山⇒法隆寺、という具合だった。天気には恵まれたが、真夏のことゆえ暑さは相当なものだった。写真になったのは東大寺裏の路地風景と至る所に咲いていた百日紅の花だった。大仏殿の大仏を訪れるのは2度目だが、この大仏殿に入っていることによって余計に大きさを感じる。
写真は唐招提寺の本堂。奈良では私はこのお寺が好きである。この木の柱が何ともいえない。あと庭園のハスの花も昼過ぎだというのにまだ綺麗に咲いていたのでいい被写体になった。
法隆寺は拝観料が1000円と高かったのでパス。外からでも五重塔は見え、雰囲気は感じることができたのでそれはそれでよかった。旅程がそれを許さなかったというのも理由のひとつである。そのかわり、中宮寺の弥勒菩薩坐像もとても美しいと思ったので小休止を兼ねてしばらく眺めていた。

法隆寺からはそのまま大阪に向かっても良かったのだが、一旦奈良に戻り、桜井線というローカル線に乗って王子へ出てから大阪に向かうことにした。ちなみに法隆寺駅と王子駅は隣接の駅なので路線図を見てもわざわざ遠回りして行くことになる。特に途中下車の予定もなく、車窓の風景をただ眺めていた。夕方に向かう大和三山の景色はなかなかのものだった。こういうところも丁寧に辿ればいい写真が撮れそうだ。

写真は中宮寺から法隆寺に向かう道。百日紅が咲いている。

大阪では、私の弟が一人暮らしをしている。ワンルームマンションで狭いのだが、ここで世話になれば宿泊費は浮くというものである。以降の遠征の拠点は全てここからはじまることになる。

(2日目)神戸周辺⇒須磨⇒明石⇒岩屋(淡路島)
弟のマンションは天神橋筋6丁目といういたって交通の便のいいところにあるので、出かけるには便利なところである。
この日は午前中は神戸市街と須磨海水浴場で写真を撮っていた。写真は神戸市役所の展望ロビーから撮った港の景色である。洋館がある地域には今回は行かなかった。海水浴場では、別に泳いだわけではなく、スナップ写真を撮ることはもちろんだが、移設された「和田岬灯台」を見に行った。赤い色をした華奢に見える灯台だった。まあ、それだけのものだったが。灯台ファンとしては悲しい性であった。

午後は明石から船に乗って淡路島に渡った。

 

本土からもそれはそれは壮観だったのだが、工事中の明石海峡大橋を淡路島側から見てみたいと思った。船の乗り場から徒歩で15分くらい橋に向かったところで陣を敷き、日没までの変わりゆく光景の写真を撮っていた。

 

 

 

 

(3日目)天保山⇒伊丹空港
午前中は弟の案内で天保山(大阪港)周辺に行った後、伊丹空港へと向かった。ここはヒコーキの撮影場所として有名なところで、右の写真ではまだまだ迫力不足だが、ともかく頭上をヒコーキが轟音立てて通過するさまは相当なものである。

天気が良く、しかも陽射しをよける場所もないので猛暑対策には頭を悩ませるところだが、脱水症状だけは避けたいので、昼前から日暮れまでの長期戦に備えて2リットルのペットボトルを2本用意していた。こういう時、ペットボトルは大変便利である。

夕暮れになるまで何機頭上を通過したかは定かでないが、この9月には関西国際空港が開港するので、伊丹の発着便は当然のごとく減るという。そんな話を聞いたので撮っておきたいと思ったのである。

日も落ちそうになってくると、どこからともなく夕涼みギャラリーがたくさんやって来た。この日の夕焼けは美しく、誘導灯とのハーモニーもなかなか美しく感じられた。

(4日目)天王寺⇒御坊⇒日御碕⇒湯浅⇒和歌山
この日は和歌山遠征。初の和歌山県内突入である。

天王寺から一気に南下し、紀ノ川を渡って和歌山入り。和歌山からは沿線の景色が一変し、緑が濃く、場所によっては海が見えたりする場所もあった。特に有田付近では、全山みかん畑とでも言えるような光景を目の当たりにし、その力の入れようは「さすがに本場」という感じだった。

御坊で下車したのは、紀州鉄道(日本一のミニ鉄道)に乗ることと、西御坊から先へはバスで行き、日御碕を訪れることだった。
写真は紀州鉄道西御坊駅。車両はもちろん1両で走っている。内装も昔のままで床などはオイルが染み込んでいる板である。天井の電灯もまん丸だったりと相応に昔っぽい。岬へのバス待ちの間、そんな鉄道の写真なども撮っていた。

日御碕。バスに長い間揺られた割には地味な場所で、「日御碕パーク」なる看板もあったが、天気も下り坂のようで周囲の景色も精彩を欠いていたので乗ってきたバスで引き返すことにした。まあ、灯台巡りだけだとするとコストは高くつくのだが、気は済んだのでそのことについてはいいだろう。
まあ、ここに至るまでの間、湯浅あたりの街並みが気になったのでそちらに行きたくなったしまった、というのが本当のところである。

車窓から煉瓦造りのような煙突が何本も見えたので立ち寄った湯浅は醤油作りで有名な場所とのこと。私は好きではないのだが、あの金山寺味噌はここが発祥の土地だとものの本に書いてあった。
とても落ち着いた感じのする商業の街という印象が残った。古い民家の千本格子なども随所に見られたりと風情もそれなりに感じることができた。

その後は、時間が押してしまったので、紀三井寺と和歌の浦はパスし、県庁所在地でもある和歌山市街を散策した。和歌山城の堀伝いに歩き、「ぶらくり丁」なる繁華街を通って和歌山市駅に到着。巨大な南海電鉄に比べ小ぢんまりしているJRに乗り、和歌山で乗り換えて大阪へと戻った。夕方から雨が少し降ってきた。

(5日目)大阪市街⇒甲子園球場
天気は曇り。この日は終日大阪市街で撮影。夜は弟とナイターを甲子園で見ることになっている。

写真は通天閣の展望台から見た新世界付近の様子。この近辺を歩き回ると大阪のエネルギッシュな部分を感じることができるような気がした。ここで気軽に写真が撮れるようになれば一人前かなー、なんて思ったりした。

 

夕方、梅田で弟と合流して阪神甲子園球場へ。私が関西遠征を計画した段階でチケットをとってくれたという気の利きよう。身内ながら見事な段取りである。甲子園はずーっと前に「選抜」を外野席から見たことがあったものの「観戦」とは程遠いものだったので、この阪神戦は楽しみにしていた。相手は我が神奈川の横浜ベイスターズ(別にファンでもない・・・)である。

球場前のスーパーで輸入物の安いビールを大量に買い込み、試合前の練習から飲みまくっていた。しばらくして記憶がないので起こされると7回の風船飛ばしの時だという。私は甲子園でこのシーンを写真にしたかったので酔った頭で「六甲おろし」を聞きながらその瞬間を待っていた。そんな状況で撮ったのが右の写真である。いや、これは壮観だった。
ちなみにこの日の阪神は負けた。混雑を避けるために終了直前に球場を出たため、ファンの荒れ模様を見ることはできなかった。

(6日目)灘・御影郷⇒神戸港夜景
今日の天気は晴れ。とても暑い。訪れたのは酒蔵の多い地域。灘の御影郷というところだった。私は日本酒に関しては下戸なのでその味わいに関してはまったくと言っていいほど無頓着である。しかし、この黒壁のある風景は撮ってみたいと思った。炎天下の中の移動なのでほとほと疲れたが、有名な酒造会社は資料館なるものを公開しているのでそのたびに入って小休止した。

なかでも「福寿酒造」の凍結梅酒というのは絶品だった。天候も多分に影響していたとは思うが、とてもおいしかった。以降時々であるがこの品を取り寄せたりしている。

神戸では夜景を撮るために港へ進入。日が落ちる前などはポートライナーなどという新交通システムの乗り潰しをしていた。ポートアイランドとはなかなか広い人工島なのだとその鉄道を利用して改めてわかった。
件の夜景。夕映えが今ひとつだったが、まあ、「これが夜景だ」というものは押さえることができたと思っている。

(7日目)関西国際空港⇒堺⇒道頓堀⇒空中庭園
この日もよく動いた。連日猛暑なのによく動けると自分ながら感心してしまうくらいのものである。

まず、出かけたのが関西国際空港。9月に開港するので列車は通っていても「入島証」なるものがないと、改札より先には進めない。ちゃんと警官がチェックしていた。私などは真新しいコンコースでうろうろするだけである。よって右のような写真を撮って去るのみだった。まあ、これもコストとすれば高くつく移動だったが、この後、それなりに楽しんだのでよしとした。

行きはJR、帰りは南海に乗って空港と本土を行き来した。

空港見学の後は、堺に立ち寄り、市役所の展望台(ここも立派だった)に登って「仁徳天皇陵」を見たりした。これだけ大きな墓はこの市役所の展望台クラスからでないと見られないだろうな、などと別段税金など払っていない一観光客は、この行政のサービスに感心するのだった。

堺の街並みは下町という感じがして飾り気がなかった。しかし、やっぱり東京近辺の下町という感じではない。空気が違う。このエネルギッシュな感じは何だろう。そう感じることがこの関西滞在で何度もあった。

写真は、阪堺電気軌道という堺と大阪を結んでいる路面電車。この車両を見てもわかる通り相当年代物が走っている。冷房もない車内だが、乗り物好きな私には結構楽しめた。途中「大和川」で下車し、橋を渡る路面電車を撮影。あとはのんびりと恵比寿町まで帰ってきた。

道頓堀界隈をうろうろした後、梅田スカイビルの「空中庭園」に行ってみた。写真はその真下から撮ったもの。「空中」という名に相応しく、展望台は開けっぴろげである。きっと天気の悪い日は開放しないのだろうという、そういう造りをしていた。大阪の空には白い雲が棚引き、淀川も午後の日を受けて光っていた。

この後は、大阪城公園で時間を潰し、弟と鶴橋で待ち合わせ。鶴橋でも有名な「鶴一」で大阪最後の夜を楽しんだ。これも身内のことになるがなかなかの段取りであった。満足、満足。

 

 

(8日目)大阪⇒長浜⇒小田原

旅行最終日。大阪を早朝出発。目的地は滋賀県の長浜。ここなら立ち寄っても京都ほど時間はかからないだろうと選択した。もちろん京都にも寄ってみたい気はつねにあるのだが、今回は切って捨てた。

さて、長浜ではまず高いところへと向かう。長浜城跡の天守閣に登り、琵琶湖と霞んで見える竹生島を堪能した。他には「国友鉄砲鍛治」の資料館などもあって戦国時代ファンの一面を持つ私にとっても満足できるところだった。

また、「鉄道資料館」などもあり、そこでもぶらぶら過ごした。
街並みは「北国街道」を標榜するだけあって観光客を呼べるだけのものはある。メインストリートにはそういう客もまばらにいたが、一歩脇に迷ってみるのも一興。本当に迷ってしまうこともあるのだが、それはそれで楽しめた。陽射しも強く、旅行の最終日にして長くは歩けなかったが、街道筋の雰囲気を味わうことができた。

旅行のフィナーレにしては地味な方だと思うが、そのあとが各駅停車の移動(青春18きっぷで旅行をしていた)だったのでギリギリの滞在時間だった。近畿地方を私なりに楽しめた1週間だった。

関西プロジェクト おしまい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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