伊勢志摩プロジェクト その2

1991,AUGUST

志摩〜伊良湖編

 

伊勢志摩の旅行もあと2泊3日。もう連泊はなしなのでキャスターつきの荷物を持って移動することになる。これが結構な荷物なのでまず大きなものを阿津里浜の民宿に置かせてもらうことにした。そこは南に口が開いた砂浜で、撮影はやめにして今日は海水浴でも良かったのだが、それよりももっと奥に行きたいという欲求の方が強かったので、御座から浜島に連絡船(写真)に乗って渡った。乗るといっても10分ぐらいで渡れてしまう所なので海のバスと言った要素の強い乗り物だった。

浜島で宿田曽という奥志摩の要衝に行くことを決める。バスの時間までまだあったのでカメラの電池を買いに近くのカメラ屋に入ったら、そこのおじさんが私を旅行者と見るや、いろいろなことを教えてくれた。まあ、話し好きだったということもあろうが、決して短くない待ち時間がこの話のおかげで結構短くなったりした。

伊勢志摩は基本的にリアス式海岸なので入り組んでいて山が海の直前まで迫っている。そんな地形をバスが走っているので海のそばを走っていると言うより、山中をうねるように走っている感じがする。

宿田曽は一見したところ小さな漁村だが、小高いところから見ると多くの漁船と整備された大きな漁港が目に飛び込んできた。右のような写真を撮っているが、これが「かつお・まぐろの里」ということで遠洋漁業の基地になっているところということだ。

まあ、こんなものが町の中(通りに面して)にあるのだが、ただの看板にすればいいものを、と思わないではない。しかし、他にこの土地に何ら特徴があったわけでなかったので、こんな写真で「行った」というアリバイを作った次第である。

それにしても奥志摩は広い。眼下の宿浦港からはるか向こうへと絶壁(に見える)海岸線が延び、湾の奥にもいくつか集落があるのが見えた。行ってみたい気もしたが、宿田曽から先にバスはない。あっちの方はあっちの方で路線があるのだろうがそれは私の知るところではなかった。午後は浜島まで戻って港のスナップ写真などを撮っていた。

夜は阿津里浜で夜景の撮影。月光に照らされた口の広い湾がとてもきれいに輝いていた。

鳥羽への移動日。宿泊最終日。

この日は鳥羽で過ごす。鵜方までバスで戻り、近鉄に乗り換え一直線。鳥羽周辺や伊勢神宮(内宮)に行く予定。天気はこの1週間雨も降らずに旅行をするにはいい状態が続いている。

写真は阿津里浜。こんなところだということで載せてみた。

 

近鉄の特急に乗って鳥羽に着けばまだ昼前。地図を見て石鏡(いじか)というところに灯台のマークがあるので行ってみることにした。灯台巡りも私の旅行の嗜好のひとつである。

鳥羽からバスでパールロードと呼ばれる海岸線の道路を行く。石鏡を「いじか」と読む難読地名にも惹かれて行ってみようと思った。ガイドマップでも大きく取り上げられていないので単なる集落かと思ったが、そういうところを歩くのも旅行の楽しみでもある。

写真は石鏡バス停で撮ったもの。小さくてわかりにくいがはるか下の家並みが石鏡集落である。この炎天下の中、下まで降りて写真を数枚撮ったのみで引き返してきた。灯台は小さなもので「訪れた」ということで記念写真を撮ったのみだった。

しかし、この上り下りはきつかった。旅行も終盤に来て、バテが感じられてきた。

バスで再び鳥羽に戻り、今度は伊勢神宮へ。これは参道に沿って歩くだけなので何の苦もなかった。写真を撮る、というよりこれはもう純粋な観光モードだった。

写真に写っている五十鈴川の水がとてもきれいだった。

訪れた後は茶店に入って、ご当地の「赤福」を食べた。私は甘いものが好きなのでこういう和菓子は大好きである。

宿は伊勢市。近鉄の宇治山田駅と隣接しているが、宇治山田の方が重厚な感じがしてとても歴史のある駅、というように見えた。そんな駅が気に入ったのでしばらく構内を散策していた。

旅行最終日。もう帰るだけである。

伊勢市から一旦鳥羽へと向かい、菅島を目指す。ガイドブックにはなにやら珍しい灯台があるという。「菅島灯台」というもので何でも「日本発の公設灯台」のひとつらしい。鳥羽から市営の小さな連絡線に乗り菅島に渡る。灯台は小高い丘の上にあるのでややもすると見過ごしそうな標識をたよりにうっそうと茂る山道を登っていく。何しろ荷物が多いのでフ〜フ〜言っては一休みである。そんなこんなでたどり着いたのが写真の灯台である。

随分と愛嬌のあるずんぐりした形だな、と思った。印象的な灯台のひとつになった。

帰りは乗ってきた船の次の便の予定なので灯台以外に菅島を楽しむことはできなかったが、最後の伊勢志摩訪問地でいい所を訪れたと満足した。

 

鳥羽港。帰路は変化をつけるために船で伊良湖に渡ることにした。英虞湾は内海なのでわからなかったが、台風接近の報もあり、昨日の外海はなかなか荒れていた。伊勢湾フェリーは「問題なし」ということだったので陸路でなく、こちらの交通手段を選んだ。

フェリー乗船時間は約1時間である。船が苦手な私が乗るには手ごろな時間である。

かくして、昼前には私は船上の人となり、伊勢志摩の地を後にした。

写真はフェリー上からの神島。鳥羽よりも伊良湖岬からの方が近いのだが、行政区は三重県鳥羽市なので連絡船は鳥羽から出ている。「潮騒」の舞台となった所だが、読んでいないので内容は知らない。読んでいたら、旅程の中に入れて旅行をしていたかもしれない。今度訪れることになった時の宿題にしよう。

写真ではわからないが左側斜面の中腹に神島灯台が見える。立地条件だけを見ても相当な高度感がある。「おー、行ってみたい」と思わせる灯台だった。

伊良湖岬灯台。海面すれすれに立っている灯台である。すぐそばまでサイクリングロードが完備しているのでキャスターつきの荷物でも楽に移動できた。もっと上の方に建てても良さそうなものだと思ったが、確かにフェリーの上からもこの灯台の存在を確認できたので、この場所でも実用には何の問題もないのだろう。
それにしても、この灯台も実に印象深い灯台だった。

しばらく小休止。旅行のフィナーレを飾るのに相応しい場所だった。

伊良湖からは特急バスで豊橋まで。途中、田原で豊橋鉄道を見た時には、乗って豊橋まで帰ろうか、と一瞬思ったが、もう腰に根が生えていたので立つことはなかった。また来た時には一度は乗ってみようかという鉄道である。

豊橋。まだ日は高いが体力的には限界。と言っているわりには、この後各駅停車の乗り継ぎで神奈川まで戻った私だった。

伊勢志摩プロジェクト。この旅行は満足度の高い旅行だった。観光にしろ、写真にしろ、こういう旅行を体験すると次の旅行がなかなかしづらくなるような気がしてくる。

まあ、もっとも外に出たがるのは病気のようなものなので我慢しろと言ってもできるものではないのだが・・・。

伊勢志摩プロジェクト おしまい

 

 

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